「那覇市立病院の独立行政法人化について」沖縄県那覇市
「議会運営について」沖縄県豊見城市(とみぐすくし)
「障害者ワークサポート派遣事業について」宮崎県宮崎市
地方独立行政法人制度とは、地域において
確実に実施される必要のある事業であり
民間に委ねた場合には必ずしも実施されないおそれがあると
認めるものを、効率的におこなわせるため
自治体が設立する法人です。
経営的に難しいので、民間のよいところを
取り入れようとするものです。
市立病院で働く人は公務員で地方公務員法・
地方公営企業法が適用されますが、
独立行政法人(非公務員型)というのは、
労働基準法等の民間で適用される法律の範疇となり、
身分は公務員ではなくなります。
経営と人件費は切っても切れない関係なので、
経営を向上させる為には人件費をどうするか。
儲かればそれを働く人に還元することが可能になりますが、
赤字の場合、人件費は市場原理通り当然の如く
抑制される方向にむかいます。
国は財政危機を受けて、最大の支出項目である
医療制度改革を進めています。
入院日数の圧縮、診療報酬の切り下げ、
生活習慣病予防対策へのシフトなど急激に変化し、
医療制度改革、行財政改革など経営的に苦しい公立病院は
対応を迫られています。
国はガイドラインを設けようとしています。
http://www.soumu.go.jp/c-zaisei/hospital/pdf/071112_gaiyou.pdf

モノレールから見た那覇市立病院
市立芦屋病院のように、赤字で止むを得ず
独立行政法人化(非公務員型)に移行するのと違い、
那覇市立病院は平成8年からほとんど赤字を出していません。
にもかかわらず攻めの選択として、
平成20年4月にむけて自主的に
独立行政法人化(非公務員型)を選んでいる点が、
芦屋市との大きな違いです。
230床で約47%の稼働率の芦屋と違い、
470床で90%以上の稼働率であり、
急性期医療の中核病院・がん拠点病院・救急病院として、
財政基盤を強化、最終的には税金の投入のない
健全運営ができる病院を目指しています。
また、職員・組合・議長・与党会派長・野党各会派への説明、
院長以下職員の沖縄県市町村課の挨拶回りなど
きめ細かな対応をされています。
また市立芦屋病院は交通の便が悪いと言われますが、
那覇市立病院は郊外とはいえ、
ゆいレールというモノレールの駅から直結しています。




モノレールの駅ではこのようなアンケートをとっていました。
また院内保育所(めばえ保育園)も完備されています。
以前は40名の定員に空きがあり、
近所のお子さんを預かることもあったそうですが、
最近はいっぱいだそうです。
中島かおりの急な申し出に快諾頂き、
ひとり保育所の中を見せて頂きました。
環境の充実には必要です。


まちを歩いていてこのような看板をみかけました。

2日目は豊見城市(とみぐすくし)に伺いました。
24名の議員のうち、議長を除く全員が
一般質問(持ち時間20分、芦屋は40分、
共に答弁を除く)をする議会です。
会派は2名をもって構成。
議長・副議長・他委員会委員長の任期は4年(芦屋は1年)
となっています。
市役所がユニークでした。
家具屋さんだった店舗を買い取り、市役所の機能を移転。
仮庁舎という位置づけで何れ本庁舎を建てる計画だが、
財政的事情から具体的な計画は今のところないとのこと。
最初入った時に、フロアーがとても広く階段には
シャンデリアがあり、市役所というには違和感が
ありましたが、店舗だったと聞いて納得がいきました。
議場も、傍聴席まで全てフラットです。


本会議の縮小版とする為には一定の議員定数の確保は
必要であり、議会のことは議会が決める、という
鉄則のもと、機能の充実、環境整備が必要と
力説される事務局長さんのお言葉は、新鮮な感じがしました。
3日目は宮崎市に伺いました。
障害者の職場定着を支援するボランティアとして
ワークサポーターを養成し、事業所等に派遣することにより
離職者をださないようにしています。
事業は社会福祉法人に委託されています。
この制度は平成17年度から導入され、現在3年目。
サポーターは有償ボランティアで、
ひとりが5人を担当するということで当初20名の募集には、
公務員・教職員のOB、福祉関係者などの
やる気のある方が応募され、現在は27名の登録がある
ということです。
ただ、ボランティアという身分のため事業所によっては
拒否されることもあり、
自宅やグループホームにまでサポーターは
出かけることもあるそうです。
相談にのってくれるサポーターを必要とする
障害者の方を把握すること、やる気のあるサポーターの
方の声をどのようにつないでいくか、ということが
課題とのことです。
障害者の雇用率が全国7位(1.94%)
企業で障害者を雇用しなくてはいけないという
達成率が61.8%で全国2位。
チャレンジ雇用ということで、市役所でも
知的障害者の雇用を考えているということです。
宮崎でも議場を拝見しました。

宮崎ではおいしいお菓子があると聞いて、
帰りにお店に寄りました。
その名も「なんじゃこりゃ大福」です。
イチゴ大福にさらに栗とチーズが入っていると考えて下さい。
お腹いっぱいになります。おいしく頂きました。
今回の会派視察は委員会視察と違い3日間でしたので、
日程に余裕はありましたが、
少しでも多くのことを見てまわろうとすると大変です。
以前に視察で、芦屋からJRで野洲や加古川にお邪魔した時も
エネルギーを大変消耗したことを考えると、
無理のないことかもしれません。
議員が体力勝負というのはもっともなことです。
しかし、多くの方の出会いとその方たちの時間に感謝しつつ、
いよいよ来週月曜には議案説明会があり、
12月議会が始まります。
よいことも悪いことも全てを糧にして、頑張ります!