「お役人」にはなれないなあ、と文章を作成する度に思います。
一般質問の原稿ですが、一度目の質問がおわると理事者から答弁があります。
その内容によって二度目の質問をするのですが、
色々なことを予想しつつペーバーを準備します。
答弁の内容、理事者の表情等勘案しながら、
必要だと思うこと、伝えておきたいことを再質問します。
時間の制約もありますが、
プレッシャーに負けて準備した内容を発言できないこともあります。
何故この質問をするのか、何故芦屋市政に必要だと考えるのか、
といった想いをまとめるのに、
今回はぎりぎりまで上手く文章にすることができずに、
前夜ももちろん、当日の朝までパソコンを触っていました。
本会議の時はいうまでもなく、委員会の時も朝から水分を控えますので、
今日の本会議終了後に飲んだ珈琲はとてもおいしく感じました。
1.自殺対策について
本市における現状と課題認識、その取り組みについて
2.「優しいまち」に向けて
優しいまちづくりへの取り組みとして
@待機児童の解消
A男女共同参画宣言都市
B総合評価方式
を提案します。
3.ルナ・ホールについて
市民会館としての役割と芸術的な建物との間における
「バリアフリー」という側面の妥当性への認識について
4.財政の役割について
本市における健全な財政についての認識と
市政運営における財政の役割について

おはようございます。傍聴のみなさま、
そしてこの議会から始まりましたインターネット配信でご覧頂いている皆さま、
ようこそ芦屋市議会におこし下さいました。
イーブンの中島かおりでございます。
昨年の6月11日から議員としての任期が始まり
ちょうど1年と半年がたちました。
毎回発言している一般質問もはや6回目となります。
この一般質問ですが、芦屋市がよりよく発展していくいように
との思いから当局の皆さまへあてた私からのラブレターのつもりです。
決して挑戦状や果たし状ではありません。
そしてそれらは私だけの想いではなく芦屋市民の想いでもあります。
せっかく与えられた時間を無駄にすることのない
充実した質疑となるように心掛けてまいります。
それでは、通告にしたがいまして、
自殺対策について、優しいまちにむけて、ルナ・ホールについて、
財政の役割について、順番に質問してまいります。
最初は「自殺対策について」です。
我が国において自ら死を選ぶ人の数は、
10年連続して3万人を超えるという状態が続いています。
自殺対策白書によりますと、平成19年は、
総数は前年から938人(2.9%)増の3万3093人、
男性は前年から665人(2.9%)増の2万3478人、
女性は前年から273人(2.9%)増の9615人となっています。
また原因・動機が特定されているなかでは、
「健康問題」が最も多く63.3%、「経済・生活問題」が31.5%、
「家庭問題」が16.2%と続きます。
「健康問題」の内訳は「病気の悩み・影響(うつ病)」が41.
3%と最も多く、
「経済・生活問題」の内訳では、「負債(多重債務)」が27.0%と最も多く、
その内9割が男性で40歳代50歳代が多くなっています。
約2年前の平成18年10月に「自殺対策基本法」が制定され、
それに基づいて平成19年6月に「自殺総合対策大綱」が閣議決定されています。
平成20年に入り、インターネット情報に基づく
硫化水素による自殺も群発していることから、
自殺対策の一層の推進を図るために、当面、強化し、
加速化していくべき施策を「自殺対策加速化プラン」
としてこの10月31日に自殺総合対策会議で決定しています。
さらに、この決定にあわせ、自殺総合対策大綱の一部を改正し、
インターネット上の自殺関連情報対策の推進等が盛り込まれています。
自殺は防ぐことが出来るという、認識と社会的要因によって
引き起こされることも踏まえ、
社会的な取り組みが必要とされるなかにおいて、
自治体レベルの対応がやはり求められる時代です。
過重労働はワークライフバランスの必要性、
つまりは社会構造や労働問題のいびつさを内包し、
失業などは、らしさにしばられて精神的、肉体的に追い詰められ、相談窓口の不備や不十分な支援体制という複合的な要因により、
追い込まれ追い詰められて自ら死を選んでいくという、
最後の一線を超えるという結果になるのでしょうか。
生きていたくないという欲望を誰もが一度はもつことでしょう。
しかし、その一線を超えさせるものは何でしょうか。
あるいは踏みとどまらせるものは何でしょうか。
この支援が自治体にも求められているとするのならば、
市民の安心と安全は現場のほんの少しの気遣いと思いやりと、
そして訓練に比例するのではないでしょうか。
政令市や中核市でもない芦屋市にとっては、
県と協働での取り組みも必要かもしれません。
芦屋市でできること、県につなぐこと、県と協働で取り組むこと、
という役割分担を明確にしながら、
芦屋市全体の中で連携をはかって取り組んでいかなくてはならないと考えます。
自殺対策白書の数字が物語る通り、
「こころの健康」への横断的・総合的な研修も必要でしょうし、
経済苦(多重債務)への取り組みや幅広い相談窓口の充実も求められます。
いじめによる自殺という悲しいニュースも聞かれます。
命が大切という教育現場での取り組みや研修は
子供にむけたものも含めて、指導する先生方自身にむけた研修も必要でしょう。
そこでお伺いします。
芦屋市における自殺対策の現状と課題、その方向性について
どのように認識されているのでしょうか。
次は「優しいまちに向けて」です。
私たちのこの芦屋のまちは今、優しいまちでしょうか。
「優しい」というとイメージが人によって、
あるいはその立場によって変わるものかもしれません。
男女共同参画推進条例の制定に向けて、
つい昨日まで意見募集がおこなわれていました。
この条例を待ちに待っていた者として、同原案策定委員会、
男女共同参画推進委員会を可能な限り傍聴してまいりました。
第二次男女共同参画行動計画の見直しにおいては
数値目標も取り入れられ、
本市における男女共同参画施策が着実に進むことを大変嬉しく思っています。
しかしながら従来の「らしさ」にしばられることなく、
男女がともに手をとって一緒にすすむ、一緒に生きていく
ということは簡単なようでいて、案外難しいということは誰もが思うところです。
今回は「優しい」をキーワードに3点、「男女共同参画宣言都市」
「待機児童の解消」「総合評価方式」についてお聞きします。
男女共同参画行動計画の見直し、引き続いての推進条例の制定、
と施策が進む芦屋市として、「男女共同参画宣言都市」と
さらにステップアップできないでしょうか。
男女共同参画社会の実現に向けての気運を広く醸成することを目的として、
平成6年度から内閣府が実施している「男女共同参画宣言都市」という事業があります
(平成20年3月末現在 奨励事業実施地方公共団体数:延べ101)。
その内容をみてみますと、
1.内閣府との共催で宣言に係る記念行事やサミットの開催
2.首長の声明、議会の決議、国の男女共同参画推進本部に
相当する行政連絡会議における決定等の方法による
「男女共同参画宣言都市となることの宣言」
3.審議会等における女性委員の登用のためのプログラム、
職員研修などの取組
4.住民に男女共同参画社会づくりについての
理解と協力を得るためのシンポジウム、講座、表彰等広報啓発事業
となっています。
本市においては、行政改革実施計画の中で
「男女共同参画の推進」の審議会等への女性登用の推進として
40%の数値目標があり、第2次男女共同参画行動計画にも
その数値目標が示されています。
市長を本部長とする推進本部会議や、推進本部会議幹事会も
すでにたちあがっています。
都市の宣言は必要となりますが、その他のことに関しては
芦屋市においてほとんど取り組まれていることです。
来るべき市の70周年記念行事の一環として、
「優しいまち」のアピールとしても、是非芦屋市が
「男女共同参画宣言都市」となることはできないでしょうか。
男女共同参画推進条例制定後は施策を推進する場としての
センターが、現在は設置管理条例のない不確定なものであるために、
これから検討されていくことになるでしょう。
男女共同参画施策をさらに進めるためにも
検討をして頂けないでしょうか。お聞きいたします。
2点目は待機児童の解消についてです。
子供を持つ女性にとって芦屋のまちは優しいまちでしょうか。
乳児と幼児のお子さんを二人連れているために比較的利用しやすいということで、市役所内の銀行のATMを使っている時に、
「何をもたもたしているのか、さっさとしなさい」
というような言葉を言われて泣いているお母さんに、
この芦屋市役所の中で出会ったことがあります。
「ちょっとしたこと」で人は優しさを感じることができます。
ベビーカーを押している人に、ドアを開けて待っていてあげるなど、
個人でできる「ちょっとしたこと」もその気になれば見つかります。
そのほんの少しのやさしさとその対極にある暴力ともなるべき言動。
それは個人の問題ではありますが、
やさしさに触れられずに泣いている母親に、
少しでも優しさを示すことができる芦屋市であってほしいものです。
待機児童については、私も機会があるごとに発言しており、
市としてもできることから取り組んで頂いていることとは思いますが、
どうしてもその数が減りません。そこでお伺いします。
現状と取組、そしてなぜ待機児童数を減らすことができないと
考えていらっしゃるのか。具体的にお答え下さい。
3点目は総合評価方式についてです。
山手幹線舗装工事に一部取り入れられていますが、
入札において価格だけを絶対視するのではなく
価格と価格以外の要素(創意工夫等)、
その事業主の自社における取組、姿勢を総合的に評価するというものです。
芦屋市においては「入札監視委員会」において総合評価方式について議論されていますが、
この委員会そのものが非公開であるために
どこまでの議論なのかはわかりかねます。
総合評価方式導入にあたっては事務が煩雑であるともいわれますが、
市区町村向け、簡易型総合評価方式というものもあります。
その評価項目・評価基準に
企業の地域貢献 というものがあります。
その地域貢献度の中には、営業拠点の所在地ということで
同一市町村内に有るかどうか、防災協定等に基づく活動実績の有無、
ボランティア実績の有無、障害者を基準以上に雇用しているかどうか、
ISO取得の有無、めずらしいところでは
「個人住民税の特別徴収義務者」を評価するということがあります。
都道府県レベルだけではなく、市でも取り入れて実施し、
すでに効果をあげているところもあります。
今回私の提案は、この中の地域貢献度の項目に
男女共同参画推進、ワークライフバランス、
子育てしやすい職場環境に前向きに取り組む事業主を評価するということを、
芦屋市が「優しいまち」をさらにめざすためにも、是非取り入れてほしい
ということです。
どのように評価するのか、という疑問もあるかもしれません。
国が参考として示す具体例のなかに、私が提案する項目がないために、
総合評価方式について芦屋市において議論されるときに、
この視点が抜け落ちていることを懸念いたしますので、
今回取り上げてさせて頂いています。
男女共同参画推進の項目には、
例えば育児・介護休業制度、子供を持つ従業員向けの時間短縮制度、
育児と介護のための勤務時間の短縮、中途退職女性復帰制度、
などを評価基準としています。
育児・介護休業法の中で、事業主に対し、
企業全体の雇用管理方針の中で仕事と家庭との両立を図るための取組を企画し、
実施するという業務を担当する「職業家庭両立推進者」を
選任するよう努めなければならないと規定されています。
地域貢献度をはかるために、労働福祉の環境整備という観点から、
差別化をはかる意味もあり「職業家庭両立推進者の選任の有無」や
「就業規則作成の有無」を評価項目にすることによって、
比較的労働環境整備が進んでいない建設関係の業界に
その整備を求め、実際就業規則の改定が増加したというお話も聞きました。
このあたりは芦屋市独自の姿勢を示すチャンスではないでしょうか。
「優しいまち」にむけて是非積極的に取り入れて頂きたい。
そこでお聞きいたします。
まずこの総合評価方式の検討は、どこまで具体的なのか、
そしてこの総合評価方式の中に
「優しいまち」へのエッセンスを入れて頂けるのかどうか。お聞きいたします。
大きな項目の三番目はルナ・ホールについてです。
ルナ・ホールは市民に愛される芦屋の市民会館です。
昨年12月議会の補正予算による一部改修工事に伴い、
きれいになり、以前よりは使いやすくなりましたが、
芸術的な建物であるために、使いにくいという声はやはりあります。
少子高齢化が進む時代に、
バリアフリーという側面も強化されなくてはならないでしょう。
昨年補正予算の委員会の質疑において、
適切な外壁の維持管理等をすれば、ルナ・ホールは半永久的に使える
というようにお答えになられています。
すなわち建て替え等は視野には入っていないというのならば、
長期的にはどのような計画をお持ちでしょうか。お聞きいたします。
最後になります。4番目は財政の役割についてです。
これまでの財政再建制度を52年ぶりに改正した、
「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」が
昨年6月に成立、この半世紀の間に地方財政制度を取り巻く環境は大きく変わり、
自治体そのものの在り方もさらに変革を求められています。
本市においても議会の議決を必要とする財政健全化計画策定の必要な
イエローカードが予想されていましたが、
ご承知のように都市計画税を特定財源として控除する算定方法の変更により、
イエローカードは免れることとなりました。
また現金主義から発生主義へ、との公会計制度改革など
自治体財政への国の関与がますます強まっています。
一方、地方分権改革推進委員会における議論の実現が
どこまでどの時期になるのかも不明ですが、
法令による義務付け、枠付け等の見直しとともに自治体の自由度が高まり
地方分権改革がさらに進むならば、
自治体そのものは実質的にいまよりもさらに住民に身近なものとして、
存在価値を示していかなくてはなりません。
「芦屋らしさ」も抽象論からより具体的なものへと変貌したものを、
提示していかなくてはなりません。
そして地方にとって更に厳しい事態が待ち受けていたとしても、
怯むことなく、生き残りをかけて、
持続可能な芦屋市を目指すのならば、
財政運営の重要性がさらに強まることはいうまでもありません。
兵庫県の「行財政構造改革の推進に関する条例」や、
財政健全化法とは別の指標を設定し、
総合計画にない事業については認めないなど条例で規定する、
決算情報を積極的に公表するなど、
地方財政健全化に向けた取り組みを独自に行っている自治体もあります。
そこでお聞きいたします。
本市における健全な財政とはどのようなものとお考えでしょうか。
今回「財政早期健全化団体」とならなかったこととあわせて、
ご見解をお聞きいたします。
また市政運営における財政の役割をどのようなものと考えて
その役割を果たされているのでしょうか。あわせてお聞きします。
以上で私の一回目の質問を終わります。わかりやすくゆっくりとご答弁をお願いします。
