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2011年10月23日

わが国の地方財政における制度運営の論理

わが国の地方財政における制度運営の論理

―マクロとミクロの関係を中心に―

関西学院大学
小西砂千夫先生

討論者
神野直彦先生

学会の発表は、
議会での質問、質疑と少し似ているところがある、といつも感じます。

すなわち、報告者が発表した後、
討論者がその報告、論文に対してコメントや質問をします。
今はプレゼンの大部分がパワーポイントによるのでしょうか。
討論者の方も、資料を用意されることも多々あります。
個人的には、討論者による質問は報告者に事前に知らされるのかどうか、など
興味があります。

ちなみに、本会議における一般質問は議長あてに事前通告をします。
委員会においては、質問回数に制限がなく一問一答で事前通告の義務はありません。

この辺りが、似ているな、と感じる部分です。

本題に戻りまして、今日の小西先生の報告ですが

1.総額の確保=地方財政における量出制入

2.ミクロの積み上げがマクロではない

3.基準財政需要額は標準的経費ではない

4.事業費補正方式等の正当性

5.地方債の安全性・現金主義会計・建設公債主義・自治体財政健全化法の関係

まとめに代えて(当日配布資料による)

誤解されやすい事項
・地方交付税の総額は、基準財政需要額の積み上げを基に決まっているのではない

・地方交付税は、総額決定が地方財政計画に基づくという意味で、実際の運用では、
地方財政平衡交付金と本質的に変わるものではない

・財源不足は、地方交付税法第10条の2に規定するような、
ミクロの算定のなかで解消するのではない

・基準財政需要額は標準的経費ではなく、留保財源を含めた標準財政規模の方が
「標準」の概念に適う

・公債費のうち事業費補正方式等の割合が増えても、地方交付税の総額を押し上げるわけではない

・普通交付税の算定の簡素化は、総額抑制には関係しない

・建設公債主義は、現金主義会計を前提として
財政の健全性を担保するためのワールドワイドなルール

技術的な理由でそうしている、またはそうなっている事項
・地方財政計画を先に決めて、総額を衡平に配分する目的で基準財政需要額を算定している

・基準財政需要額は、地方財政計画の歳出ではなく歳入サイドで決まる

・留保財源の増える(減る)と、それに応じて、基本的に基準財政需要額は減る(増える)

・留保財源の多寡に応じて、非算入公債費を負担できる上限が決まる

・留保財源が年度間で変動すると、それを相殺するために
単位費用と補正係数を微調整する必要がある

・地方債の同意制は国の地方への過剰な干渉というよりも、
建設公債主義を担保するための方法の1つ

・建設公債主義の下では、自治体の財政悪化は資金不足(現金主義会計での収支悪化)の形で表れる

・出納整理期間は、現金主義会計で予算に対応した決算とするために必要な措置である

神野先生のコメントですが、
「誤解」をしているという対象は誰をさすのか、といった質問を含めて
4つ程あったかと思いますが、
基準財政需要額については、国民の合意をとっておく必要があるのではないか?
予算そのものは法とはなっておらず、改正される交付税法からもそのように読み取ることができない。
地方財政計画には、拘束力がなくそこに、我が国の予算制度の根本的な問題があるが、
そのためには憲法改正が必要ではないのか、
というお話しがありました。
40分という時間があっという間であり、非常にスリリングな時間であり、
直接行ってきかせて頂いた甲斐があったと、思いました。

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成城大学にて行われました。
「子宮頸がん検診」についてのお知らせが、女性用トイレに貼ってありました。
まじまじと見てしまいました。
必要なことでありよいことですが、内容が一部衝撃的でした…。

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芦屋市議会議員 中島かおりホームページへのリンク

posted by 中島かおり at 21:05 | かおり通信
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