第22回 富田砕花賞贈呈式が、市民センターにてひらかれました。
受賞詩集に
奈良県大和郡山市の司茜さんの『塩っ辛街道』(思潮社刊)
広島市の万亀佳子さんの『夜の中の家族』(花神社刊)
が選ばれました。
☆選考委員評☆
司 茜さんの詩集『塩っ辛街道』は、
著者の出身地若狭と現住地奈良とを結ぶいわゆる「西の鯖街道」を太い軸として開陳される
深い歴史観、日常の中の非日常や不条理を見抜く眼力等、リアリズムの中にも
豊かな物語性を備えている。東日本大震災以前に書かれた作品でありながら
若狭湾の原子力発電所の危うさを糾弾する詩等、予見にも満ちている。
万亀 佳子さんの詩集『夜の中の家族』は、
ギリシア神話で神格化され存在の母胎ともなる夜の意識の世界を背景に、
メタファー(隠喩)の手法で描かれた家族の肖像が、
私性を昇華して、文学としての普遍性を獲得した優れた詩集である。
中国残留孤児の問題を直視する詩等にも惹かれる。
選考委員
伊勢田史郎氏、鈴木漠氏、時里二郎氏、松尾茂夫氏、安水稔和氏
事前に詩集を読ませて頂く中で、作者はどのような方なのか。
自然と思いながら、贈呈式が始まる前の控室でお二人にお目にかかりました。
想像と同じだったのか、違ったのか。
自分でもわからないまま、気さくにお話しさせて頂いて緊張がほどけていきました。
おめでとうございます!
写真の向かって左側から、万亀佳子さん、司茜さん、中島かおりです。

終了後、富田砕花旧居に厚かましくもご一緒させて頂きました。
昨日の写真は外観のみでした。今回初めて中へ入らせて頂きました。


芸術家の皆さまとの会話に取り残されつつも、
少しの時間ではありましたが、ゆったりとした気持ちになったような気がします。
ありがとうございました。
