立場や状況によって答えが変わるような気がします。
施設ケアについて。
医療と介護を分離する、という考え方に基づいたとき、
暮らしの場として施設をとらえた時には「個室が基本」となり、
在宅に見劣りしない暮らしの場としての施設への需要が高まります。
そのような考え方のなかで
厚生労働省の政策により推進されたのが、ユニットケア、個別ケアです。
ユニットケアとよべる条件としては
個室であること
8〜10人程度をユニットとするユニットケアを原則とすること
共有スペースを設けること。
ユニットケアの成り立ちなどを学んだとき、
震災における避難所の運営を思い出しました。
無論、震災の規模にもよるが発災時は災害から逃げること、
生命を守ることに集中していた非日常が、
時間の経過とともに日常へと変わるときに、
暮らしの場としての住居が避難所へと転換せざるを得ない時のことを考えると、
「個別」であることはとても大きな視点であることは納得できることです。
そして重要なことは、避難所運営における問題点、課題として指摘されるように
「誰かによってのみ決められる」のではなく、
「当事者の声」が入ることが期待されます。
個別ケア、ユニットケアと避難所という場を
一律に同等に論じることに無理があることは承知をしますが、
ふとそのようなことを思い出すと同時に、
やはり最も重要なことは「選択の多様性が守られること」ではないでしょうか。
その前提には選択肢が存在することが必要であり、
そもそも選択肢がないこと、あるいは選択肢の必要性を求めることができないなど、
この社会には多く存在しますが、
「ケア」の領域は今後益々ニーズを含めて更に大きな社会問題になることは間違いありません。
その時に「当事者とは」といった視点をも問いながら、
この問題と向き合っていきたいと考えます。
数々の問題点が指摘されていますが
究極のケアとはやはり個別ケアといえるのかどうか。
難しい問題です…。
